自転車では無理!KENZO

日本のショップに行ったこともあり、私の中でワイルドホースヴァレーというAVAを代表するワイナリーということで、KENZOは是非とも行きたいワイナリーであった。しかしながら、ルート等を事前に相談していたNAPA VALLEY BIKEからは以下のとおり止められた。

Your route from Napa to Kenzo takes you on Route 121, which can be dangerous. The road itself is a two lane mountain road with no shoulder.
The ride up has blind corners and is very steep. The ride down is very fast and has a lot of turns. It sounds fun until you have a close call with a motorist. I’d suggest you find an alternate location or means of transportation.

なお、自転車の場合、KENZOにはさらなる障害があると現地のコンサルタントから伺った。KENZOにはゲートが2つあり、第一のゲートにはインターフォンがあってそこで予約がある旨等を伝えると開けてもらえるが、二のゲートは自動車の重さによって自動で開くものらしい。第二のゲートにはインターフォンはなく、且つ、その場所は携帯電話の電波が届かない。自転車だと第二ゲートを開けられないのである。うーん、残念。

サンフランシスコ国際空港とナパダウンタウンとの間の移動について

サンフランシスコ国際空港(SFO)とナパダウンタウンとの移動について、公共交通機関を使った移動についてご教示してくださったサイトがあり、私は、自動車の運転ができないこともあって、そのご教示に従って移動しようかと考えたりしたが、どうもそのサイトのときと事情が変わったのか、SFOとナパダウンタウンとの間の移動はやや時間がかかり過ぎる。そのため、現時点では、この移動はUberを使うのがおすすめのようである。

私がSFOに到着したのは現地時間の16時半くらいであったが、入管で1時間以上かかり、宿の到着が遅くなってしまうこともあって、Uberを使った。しかし、今回の旅の主たる目的は、ナパヴァレーの地形と空気を体感することであり、私にとってサンパブロ湾の冷たい空気を吸い、肌で感じることは極めて重要であった。サンパブロ湾はナパヴァレーの南側にある湾(以下の地図の赤丸)であるが、ナパヴァレーの気候に大きな影響を与えているとても重要な湾である。

この湾には、北極海からの寒流(カリフォルニア海流)が流れ込むため、とても冷涼である。7月1日の晩、ヴァレーホ(ピンクの丸)の対岸のフェリービルディング(上の地図のオレンジの丸)ではダウンジャケットを着た人がいたくらいである。サンパブロ湾の冷たい空気はナパヴァレーに流入するが、もちろんサンパブロ湾に近い南の方が当然その影響を受け、北に行くほどその影響は乏しくなる。要するにナパヴァレーは、サンパブロ湾のおかげで南ほど冷涼という北半球における常識(南ほど温暖)が逆転する地域なのだ。

前述したとおり、SFOからナパダウンタウンへの往路はサンパブロ湾を味わえなかったため、復路はヴァレーホまでは車、ヴァレーホからフェリーに乗ることにした。ちなみにヴァレーホはもともとかなり治安の悪い場所らしい(近時は改善しつつあるそうであるが)。私は、現地の有能なワインコンサルタントのアドバイスに従い、ヴァレーホのフェリー乗り場にほど近いFerry Taproomでフェリーの出発時刻まで待機した。微妙に雰囲気が怖く感じられるが、乗り場に近いので乗り遅れる心配がない。私は、ここで、月1回来るという地元の紳士とときどき話しつつ、ビールを飲みながら乗船を待った。

私の場合、アメリカのレストランにおいては、とりあえず量的に無難なのはサラダに肉をアディショナルでつけるというものであるということを学んだが、Ferry Taproomでは別皿のものを注文したのが失敗。シーザーサラダの方はドレッシングがすさまじく、ウイングほかのチキンはビールを2,3杯飲むにはやはり多かった。

私は19時40分発に乗ったが、ここでは21時少し前まで明るい。

確か15分前くらいに並んだ。一番乗りである。

サンパブロ湾の冷たい空気で震え上がるつもりでいたが、甲板には出られなかった。

空気が澄んでいて夕日がきれいであった。太陽がにじんでいるのはフェリーの窓に水しぶきがかかったためである。

是非、地図を拡大縮小して、カリフォルニア海流、サンパブロ湾、ナパヴァレーの気候について思いを巡らしてみていただきたい。

2024年6月テイスティングしたナパヴァレーのワイナリー


ナパでテイスティングしたワイナリーは以下のとおりである。(予約)は事前に予約したところ、(なし)は予約なしで行ったところ。追々、感想を書いてみたい。
6月25日(火)mayacamas vineyards(予約)
6月26日(水)artesa(予約)、Ru Vango(なし)、domaine carneros(予約)Cuvaison(なし)
6月27日(木)Reynolds family (なし)、Opus One(予約)
6月28日(金)Green&Red(予約)、,chappellet(予約)
6月29日(土)Robert Foley(予約)、Spring Mountain vineyards(予約)、JOSEPH CELLAR(なし)
6月30日( 月)TITUS VINEYARDS(なし)、silver oak(予約)

ナパの自転車と道路事情について

ナパは自転車フレンドリーな場所である。

日本でもこのところ、自転車通行用の表示が道路に表示されるようになったが、しばしば、路上駐車車両によってふさがれていて自転車通行の用の表示は意味をなさないと思う。

これに対し、ナパは段違いに自転車に優しい。

まず、LANE BIKEという表示が道路上になされているところでは、自転車の用の道路の幅員はなんと1.8m以上あるところもあった。

そして、場所によってはそのさらに右側に(アメリカは右側通行)路上駐車用のレーンまである。そうした場所では日本のような事態はあり得ない。

それほど恵まれていない場所でもLANE BIKEの表示の場所において路上駐車車両がああることはほとんどなかったように思う。

さらに3FEETという表示がなされた自転車用のレーンもあった。3フィートは約90センチであり、日本における自転車通行の表示の場合の幅員と大差ない体感であるし、自転車通行のレーンをふさぐ路上駐車車両は皆無に等しいので、むしろ安心である。

くわえて山に入っていくと、自動車と自転車は道路をシェアするようにという表示があったり、道路の真ん中に自転車の通行を示すマークが表示されていたり、誠に自転車に優しい。

よって、たいていの場所は自転車で比較的安全に行ける。交通量も圧倒的に少ないし、東京で自転車に乗るよりはるかに安全であることはまちがいない。

ナパヴァレーを自転車で巡る際の装備について

<サングラス>

ナパの陽射しは並大抵ではない。おまけに自転車の場合は強烈に浴びることにある。絶対に忘れてはならないアイテムである。私はド近眼であるため、カバー式のものにした。ハードケースもあり、視界も良好で使いやすかった。

<アームカバー>

サングラスと同じ理由で必携である。

<手袋>

日焼け防止の観点からは指までカバーするものがいい。転倒した場合に多少なり手を保護すること考えるとやはり手袋はした方がよいと思う。

<ヘルメット>

ヘルメットは自転車で転んだ時、頭を守るために必須のグッズであるが、レモンイエローとかピンク色のヘルメットにすれば視認性が高く、自動車に突っ込まれるリスクが減るように思う。

ナパの自転車屋のマネージャーにはレンタサイクルの予約をする前後から、お勧めのワイナリーとか、ルートの危険性とかたくさん相談させてもらってきたが、彼のおすすめは自転車走行中に目立つことであって、その一環で蛍光色のシャツを着ることが勧められた。もっとも、私は携行品を小さなリュックにいれて背負っていたので、ちょっと蛍光色のTシャツを着ても視認性は落ちるのではないかとちょっと心配していたが、初日にピンクのTシャツを持っていき、そのマネージャーに対し、あなたに言われたから持ってきたと言ったら、あっけなく「必要なし、このヘルメットをかぶれば、十分目立つから」と言われた。なんだよ、お前に言われたから、たくさん買ってしまったぞと一瞬思ったが、彼が貸してくれたレモンイエローのヘルメットは誠にありがたい守護神であった。

なお、Spring Mountainでは、昼下がりは、たくさん酒気帯び自動車が走っているので注意しろと言われた。ありがとうと言ったものの、うしろから突っ込まれたら終わりである。しかし、酔っ払い運転者も黄色には反応するはずであり、やはりレモンイエローのヘルメットは本当に良かったと思う。

ちなみに、ナパでは酒気帯び運転は常習化しているはずである。日本ではありえない事態であるが・・・

<水>

ナパはなにしろ乾燥しているので、水分補給は重要である。私は現地で1リットルのペットボトルを買い、como3.0のボトルホルダにいれておいた。中身はBCAAを水で溶いたもの。テイスティングをするワイナリーではたくさん水を飲むことが重要である。

ナパは水道の水が飲める。ワイナリーでペットボトルに水をいれてもらうこともあった。

<リップクリーム>

ナパヴァレーはとても乾燥している。日中、ずっと乾燥した空気の中をずっと走っていると唇が乾燥してバキバキになる。リップクリームを携行し、ときどき塗ることをお勧めしたい。

<スマホの充電池、ケーブル>

地図を確認するのにスマホは必携であるが、電池切れになったらアウトである。是非スマホの充電池、ケーブルを携行されたい。なお、como3.0にはUSB-Cのソケットがあり、そのタイプのケーブルがあれば充電が可能である。

<E-BikeのACアタブター>

como3.0は実に頼れるE-Bikeであった。しかし、バッテリーが死んではおしまいである。Green&Redに向かって道路封鎖でいったんGreen&Redを断念し、chappelletへ行って、再度別ルートでGreen&Redへ向かった話は別の記事で書いたが、再度別ルートでGreen&Redへ向かったその帰り、その日2度目の道路封鎖にあたってしまった。仕方なく、戻ることにしたが、セントヘレナの宿に戻るのが本当にしんどかった。ずっと昇りが続き、turboモードを続けていたら、どんどんバッテリーが減少。もうだめかと思ったらダウンヒルが始まって事なきを得たが、充電できるところではすかさず充電するべきと思い知った次第。

<カレースプーン>

さらにマニアックな話になるが、カレースプーンが必携であった。

como3.0のバッテリーは外せる。これは重要なメリットである。Specialized の他のE-BIKEの場合、おそらくフレームの強度を確保しつつ、スポーティーなデザインを維持するためか、バッテリーが自転車から簡単には外せないものが多い。バッテリーを外せないと、充電するためには、自転車をコンセントのある場所まで搬入する必要がある。屋外のコンセントを使わせてもらえればよいが、なかなかそううまくいかないこともあろう。

como3.0のバッテリー、実際に外すのは結構、大変であった。なにかバッテリーと自転車のフレームのゴムパッキンが干渉して、スタックしてしまう。NAPA VALLEY BIKEに相談すると、カレースプーンかナイフを用意するようにいわれ、TARGETまで買いに行ったものである。

自転車でワイナリーを回って、ワインをどうやって日本へ持って帰るか。

今回の旅の主たる目的は、ナパヴァレーを自転車で走り回って、その土地(AVA)の地形とか空気を体感し、各ワイナリーの土地を体感することである。もちろん、立ち寄ることができたワイナリーではテイスティングをしたり畑や醸造設備を見せてもらったりするが、ワインも買いたくなることもあろう。さて。それをどうやって持って帰るか。1、2本ならリュックに入れることも考えられるが、1本1kgを超えるから結構の負担になる。予約をしていないワイナリーにふらっと立ち寄って気に入り、買いたくなることもあろう。ケースで買いたくなることもあるだろう。自転車で宿に持ち帰ることは極めて困難である。

仮にワインをワイナリーから持ち帰っても、今度はそれを梱包して宅急便屋?に持ち込まなければならない。仮に持ち込むとしても1ケース6本でも相当の重さである。自転車で運ぶのはしんどそうだ。また飛行機で運ぶ時の梱包はしかるべくちゃんとする必要がある。うー、どうしたらいいんだ。

そうだ、ワイナリーでケースで買い、直接日本に送って仕舞えばいいじゃんかというのが最初の考えであった。ところがナパのワイナリーから直接に日本にワインを送るのは法的にダメなのでそうである(ただし、オーパスワンとかchappelletとかはFEDEXで直送可能らしい。)。さて、どうしたものか。数年前まではワイントレインの駅のショップでワインを買うとかして、ついでにワイナリーで買ったワインも一緒にそこから送ってもらうという方法があったらしいが、少し前に使えなくなったそうである。それにそもそも自転車でワイナリーを回る私にはその方法は無理である。宿に送り込むという方法もあったらしいが、梱包資材のゲットとか課題が残るし、ワインの発送のために時間と労力を取られるのはもったいない。

困り果てて、カリフォルニアのクロネコに相談のメールを送ったら、ワイナリーからクロネコに送れば順次一つの箱に入れて日本に送ってくれるという。やったー!万事解決。

クロネコからは商品の本数とか、それぞれの値段を申告するエクセルのフォームが送られてきてそれを記載してクロネコに送ればよいとのことである。安んじてワインを買うことができた。

どんなレンタサイクル?specialized turbo Como 3.0は頼れる相棒であった。

実のところ、自転車については相当悩んだ。

ナパバレー、レンタサイクルで検索すると、私が自転車を借りたNAPA VALLEY BIKE SHOPがヒットする。日本でレンタサイクルというと数時間借りて返すというイメージだが、この自転車屋は、オーバーナイトOKであり、WEBサイトのメニューに数日借りるというメニューが最初から表示されていて、長期間借りると1日当たりの料金が安くなるボリュームディスカウント?まである。私は6日間借りるつもりであったから好都合である。ちなみにこのショップではオーバーナイトの場合には充電用のACアタブターを貸してくれた(ナパバレーを自転車で巡る場合の装備参照)。

このショップのレンタサイクルには、普通のママチャリみたいなの、E-Bike(電動自転車)、ロードレーサーという3つのオプションがあったが、私はE-Bikeを選んだ。ロードレーサーしようか、ちょっと迷った。私はトライアスロンの経験がある。ロードレーサーより、もうちょっととんがったトライアスロン用のバイクに乗っていたので、ロードレーサーの方がいいかもとも思われた。しかし、私は、前半の3日はナパヴァレーの南のAVAを回るためにナパダウンタウンに滞在し、後半の3日は北のAVAを回るためにセントヘレナと宿を変える計画であり、約15kgのリュックをダウンタウンからセントヘレナに移動させる必要があった。約15kgのリュックは、不慣れな私が背負った場合、ちょっと油断すると後ろに倒れそうなほどであった。軽量なナップサックであればともかく、こんなの背負ってロードレーサーなんか漕ぐ気力は全くない。また、トライアスロンをやっていたのは10年くらい前になるし、フラットな道を一定の速度で長時間漕ぎ続ける自信はあるが、ヒルクライムは心もとない。そこでE-Bikeである。

この自転車屋が貸してくれるE-Bikeは、Specializedのcomo3.0という自転車である。最初に気になったのがその重量である。なんと、26.8kgもある。ロードレーサーは10kgを切るものもざらにあり、それとの比較ではありえない重さといわざるを得ない。ハンドルもアッパーであるし、サドルもデカい、いかにもママチャリ然とした雰囲気であって、こんなんでmayacamasとかrobert Foleyとかがある山を登れるのか実に不安であった。

しかし、ロードレーサーで15kgのリュックを運ぶことができない以上、このママチャリE-BIKEしかない。一応、このママチャリE-bikeには荷台がある。これにリュックを括り付けることができればダウンタウンからセントヘレナへの移動(往路)、セントヘレナからダウンタウンへの移動(復路)も何とかなるかも。もっとも、この荷台はかなり小さく見えた。リュックを括り付けられるだろうか、これまた不安であった。

しかし、実際に走ってみて、リュックを括り付けて走ってみて、その不安は払しょくされた。

まず、como3.0は誠にパワフルであった。思えば、カラダのデカいアメリカ人が乗る自転車である。スペック表には確か136kgまでOKとあった。私は体重72kg、リュックは15kgであるから、87kg。そもそもcomo3.0にとっては余裕のはずである。

また、荷台に15kgのリュックを括り付けることができた。このレンタサイクルのリアキャリーにはすでにゴム紐がついていたし、私自身も日本で買っていたゴム紐があったので、その2本でばっちりであった。もっとも、como3.0の自重が26.8kg、リュックが15kgで合計41.8kg、自転車の重さとは到底思えなかったが・・・。ともあれ、私はこのcomo3.0で丸6日間、走り回った。その走行距離は合計347km、昇った高さは合計3705mである。ちなみに6日間の総消費カロリーは9500kcalを超えた。一番大変だったのは、Green&Redとchappelletに行った6月28日である。一日の走行距離の最長は78km、昇った最高の高さは約1300m、総消費カロリーは2447kcalであった。この日はGreen&Redに至るルートで2度の道路封鎖にぶち当たり、来た道を引き返すとか、著しい遠回りとかを強いられたからである。

なお、現地にはときどき、ロードレーサーで走っている人はいたが、その人たちは本当にしんどそうであった。対抗車線の登り坂をロードレーサーが昇ってくる人がいると、私は、思い切り手を振って挨拶したが、敵はわずかに手を挙げるのが精いっぱい、登り坂と格闘していた。

そういう観点からした場合、私が、昇りできついと感じたのは、chappelletへ昇るときと、1日で二度の道路封鎖にあったGreen &Redのみであった。行く前には、かなり心配していたmayacamasもRobert Foleyも特段のしんどさはなかった。そして、6日間、一度も足や膝が痛くなったことはなかった。como3.0恐るべし。

como3.0を借りられたからこそ、今回私は6日間走り回れたと本当に感謝している。NAPA Valley BIKE SHOPで貸してくれるE-BIKEでナパヴァレーのワイナリについて相当たくさんのところへ、楽に且つ安全に行ける。是非、ナパヴァレーの地形と気温を体感してみてほしい。

ナパヴァレーを自転車で走った日程と大まかなコース

私がアメリカにいたのは現地時間で2024年6月24日から7月1日までである。

6月24日はサンフランシスコ空港(SFO)からナパ市内への移動日として、6月25日午前9時から同月30日午後5時30分までフルにナパヴァレーを自転車で回った。前半はナパのダウンタウンのちょっとはずれにある住宅街の宿を基点として、マウントヴィーダーAVA、カーネロスAVA等、後半はセントヘレナの北の林の中の宿をそれぞれ基点として、ハウエルマウンテンAVA、カリトガAVA等を回った。ちなみにナパのダウンタウンとセントヘレナの間にオークノールディストリクト、ヨーントビル、スタッグスリープ、オークヴィル、ラザフォードがあり、それらはナパのダウンタウンからセントヘレナへの移動、セントヘレナからナパのダウンタウンへの移動の際に走った。走らなかったAVAはワイルドホースヴァレーとアトラス・ピークである。

ほぼ実際のコース

なぜ、ナパヴァレーを自転車で周ったのか?

私は、2023年、ひょんなことからnapavalley vintners Japanが主催するnapavalley wine expertの試験を受けて、合格した。ちなみにこのnapavalley wine expertは、ソムリエ協会に会費を払っている、ソムリエかワインエキスパートのみに受検資格があり、私は後者の資格であった。ちなみにこの試験には、enthusiasistという区分もあり、この区分は受験資格の縛りはない。

このテストの準備を通じてナパヴァレー の実に多様な気候、地形等を知り、是非とも現地で、その世にもおいしいワインとともにこれを味わいたいと考えた。

私は10年ほど前まで、短い期間ではあるが、トライアスロンをやっていたことがあり、長時間、自転車で長い距離を走ることに対する心理的抵抗感がない。また、トライアスロンを止めた後も日常的に泳いでいて、10kmの遠泳をやったり、近時はマスターズ水泳で1500m自由形とか400m個人メドレーとか持久力を要求される種目をやっていることもあって、有酸素、長距離系は自信がある。

他方、ナパヴァレーは縦約50km、横幅約10kmで、比較的狭い。

これは自転車で回るのが最高かもしれない。冷涼な空気と地形(起伏、標高差等)身をもって(主として足か)を味わうことができる。そんな思い付きから自転車で回ることにした次第である。

なお、ナパヴァレーで、車に乗せてもらって分かったのだが、車の場合は前方席に座った場合はフロントガラス、側面の窓しか見えないし、窓を開けない限り空気感は分からないのに対し、自転車は前方180度自分の視界が確保され、全身で日光を浴びられる(もちろん紫外線浴びすぎ、北部の暑いAVAでは灼熱のなか自転車をこぐことにはなる。)点が決定的に異なると思った。

2024年6月25日~30日までnapa valleyを電動レンタサイクルで走った。

私は、2024年6月25日午前9時から同月30日午後5時ころまで丸6日間、ナパヴァレーをひたすら自転車で走り回った。ナパヴァレーを知っている人に訊いてみると、ヴァレーフロアのワイナリーを自転車で回る人はいても山まで自転車で行く阿呆(私のような)はどうもいないようである。
何を隠そう、私にとって、初のアメリカ行きであり、中年のオッサンの一人旅、おまけに、あまりやる人がいないナパヴァレーを6日間自転車で走りまくるというちょっとした冒険。正直、行く前は相当不安であった。そもそも6日も足が持つんだろうか、車にはねられて谷底につきおとされるんじゃないか、ナパに行く前にサンフランシスコはどうも治安が悪いらしいとか。
いろいろな人に相談させていただいた。ちょっと心配をしてくれた人もいた。
他方で、私にとってのちょっとした冒険を終えてみると、やって本当によかった、楽しかったと思う。もしかすると、自転車で回ったら楽しいかも、やってみようかなと考えている人の役に立つかもしれないと考え、ナパヴァレーを電動レンタサイクルで走った話を書いてみる。

ほぼ実際のルート↓